キャンプブームが下火らしい

僕がキャンプを始めたのは2016年の春からだ。理由は突発性難聴の後遺症で、四六時中左耳から耳鳴りが聞こえるのが気になって、いっそのこと川のせせらぎの音が鳴っていたら耳鳴りも気にならないかもと思って始めた。ちょうど芸人のヒロシによる「ぼっちキャンプ」もテレビ放送されていて、ソロキャンプというのも認知されてきた頃だった。

 キャンプというと、大抵は友達や家族によるバーベキューというのをイメージするかも知れないが、ソロキャンプでああいうバーベキューはやらない。小さなスキレットで肉を焼くことはあるけどね。
 ヒロシのキャンプを見ていると、食べるものは現地のお店で行き当たりばったりで決めて購入し、薪もそこらに落ちている木を適当に拾って、大きければナイフを使って細く割って燃やしている。
 しかし僕のやっているソロキャンプは彼の流儀とは180度異なる。僕はキャンプでは不自由を楽しむというよりは、非日常であらかじめ準備したものを楽しむ主義だ。だから薪は現地の管理棟で買うか、前日までにAmazonで箱詰めのものを買ったりするし、食事内容は完全に決めておいて、肉や野菜、カップ麺の類まですべて好みの物を用意しておく。
 天気も気になるので、設営や撤収が雨と分かって出かけることはしない。生ぬるいキャンプのように見えるかも知れないが、まあ人それぞれだ。
 テントやタープを張った後はコットで昼寝するか、サイレントギターでアレンジしたり練習したりすることが多い。

 キャンプのもっとも大きい楽しみはやはり焚き火だろうね。夕方から燃やし始めるが、火を見ていると本当に心が安らぐ。僕は大抵はすでに鬼籍に入った友人たちに話しかける時間に使っている。

 ところで、キャンプはコロナ禍のさなか、アウトドアブームで盛り上がっていた。人々は感染を恐れて混み合う場所は避け、換気の良いアウトドアへと出向いたのである。
 しかしあれから4年、盛り上がったブームは必ず峠を越えて盛り下がる時が来る。コロナ禍も終わりつつあり、人々は人混みを恐れずに映画館や遊園地、テーマパークに向かうようになった。
まあ、ブームに関係なくキャンプを趣味としている人にとってはキャンプ場も空いてきて快適になると言える。経営しているキャンプ場は大変かも知れないけど。

 まだまだ身体が丈夫なうちはタープとテントを張ってキャンプを楽しみたい。いずれはそれも面倒になって温泉宿に泊まるようになるのだろうから。

2024年 8月6日

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