12月2日(月曜日)曇り時々雨


 移動の関係で時間が取れるので、新宿三丁目で映画「ドクター・スリープ」を見てみた。ダメダメだった(笑)。この映画は40年前にスタンリー・キューブリックが監督した「シャイニング」の続編という触れ込み。「シャイニング」はインディアンの墓地を潰して建設したホテルにインディアンの怨念がこもり、代々白人家族を生け贄にしているという恐怖映画だ。とにかくカメラワークや美術が凝りに凝っており、主役のジャック・ニコルソンの怪演が伝説的な作品だ。
 ところが、「ドクター・スリープ」では「シャイニング」で惨劇から生き残った子供が40代の中年になり、新たに超能力を持った黒人女性の子供(失礼ながら、ちっとも可愛く見えない。なぜ白人の美少女、または美少年にしなかったのか!)と協力してゾンビを倒すというぶっ飛んだ話になっている。ゾンビたちは人間の恐怖や絶望によって吐き出される白い息を吸い込むことによって永遠の生命を維持しているらしい。これのどこが「シャイニング」の続編なんだ?と思って見ていると、最後の30分くらいでようやく「シャイニング」の舞台であるホテルが出てくる。でも2時間以上の上映時間、ずっと鑑賞しながら考えていたのは、やっぱりスタンリー・キューブリックは天才だったんだなという確認事項だった。

12月8日(土曜日)曇り時々雨


 3DCGの「ルパン三世 The First」を日比谷で鑑賞してきた。このところ「ターミネーター・ニュー・フェイト」、「ドクター・スリープ」とがっかり作品が続いたのでモチベーションが上がらなかったが、今度は楽しめた。もちろん不満点が無いわけじゃない。最初の方のパーティーのシーンでもっと来場者がCGっぽいユラユラの動きではなく、本物の観客のようにバラバラに動いて欲しいとか、「カリオストロの城」を知っている人へのサービスシーンが少しくどいとか(愛の感じるオマージュという人もいれば、臆面も無くパクるという人もいる)、次元大介を演じている声優の小林清志さんの声が、お年のためにまったく力が無くなってしまって痛々しいとか・・・。でもそれらを差し引いても魅力的な作品であったことは確かで、上映中にもう一度足を運ぶし、iTunesで配信されたら購入するだろう。

 何よりの収穫は音楽だった。全編大野雄二さんが関わっていて、録音ももちろん生のオーケストラ。エンドロールにはミュージシャンの名前も流れる。これって今じゃ滅多に見られなくなったものだ。映画の最後にも「カリオストロの城」のようなバラードである「ギフト」という曲が流れる。歌詞はちょっと薄く感じるが、音楽のほうは申し分ない。そして僕がおおっと思って聞き逃さなかったのは、「カリオストロの城」で流れるBGMが録音を変えてこの映画でも使われていたこと。「カリオストロの城」の中盤、ルパンを逃がしてしまったジョドーが屋外エレベーターに乗ってルパンの逃走を追いかけながら伯爵に電話をかけているシーン。伯爵が「馬鹿者!」と叱るのだが、ジョドーが「お叱りはあとで。きゃつはクラリス様を狙っております。」と報告するのだ。そのバックに流れる音楽が躍動的で素晴らしい。まさかあの曲が40年経ってもう一度聴けるとは思わなかった。

 心配された広瀬すずの吹き替えはほとんど違和感はない。声自体に魅力があるので得をしているね。そしてもう一つの発見は、ルパンを担当していた声優の山田康雄が他界してからは、あえてルパン作品を避けて生きてきたのだが、栗田貫一の声もまんざらではなかったなという発見。数十年の山田康雄ロスから抜けられそうだ。

12月14日(土曜日)晴れ


  映画 「妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」が13日に公開されたらしく、その主題歌「メテオ」がYoutubeでフルで公開された(Youtubeで「メテオ」で検索すればすぐに聴ける)。なんと歌っているのはピンクレディだ。試しに聴いてみた。
作詞作曲はナユタン星人というペンネームの人らしい。ナユタン星人ねえ・・・。分析すると、アレンジの手法としては、ちゃんとリズムも変化しているし、合いの手もあるし、ボーカルも一部ハモっているし、手を抜かずに作っている。しかし往年の都倉俊一が手がけた楽曲とは何かが違うことがわかる。
 専門的に言うと、対位法や和声学を考慮していないメロディとハーモニーになっている。だから気持ちが熱くならないのだろう。そしてこれも致し方ないのだが、DTMで作られているので、タイミングがジャストに合いすぎ、ピッチが平均律に合いすぎで、整形美人を見ているようだ。別にこの曲が悪いのではなく、今のボカロPと呼ばれる人が作ったら、どうしてもこういう作品になると思う。時代だから仕方ない。でもやはり僕らは音楽に人間的なソウルが欲しいもの。

12月19日(木曜日)晴れ


 今年の大学でのグループレッスンの一コマ。「2小節の与えられたメロディから自分で作曲して全体で8小節で終止するように曲を完成しなさい」という課題を楽譜のプリントで宿題を出した所、すべてがデタラメで不協和音ばかりのデータを真顔で作ってきた学生さんがいた。「どうしてこんな事になったの?」と聞くと、「楽譜が読めないんです」と答えた。でも、もう一年生だって12月だ。半年以上大学の授業を受けているはずなんだけど、「楽典の授業は?」というと、「履修していません」とのこと(注:現在のカリキュラムでは楽典の授業を取らなくても進級、卒業ができる!)。それじゃ、「他の授業で音楽基礎論のようなのは?」と聞くと「寝てました」とのこと。う~む、これは大変だぞ!と思うのは教えている先生だけ。学生さんのほうはまったく危機感を感じて無い。これがゆとり教育の多大なる成果か。
 
 一方で、12月20日からついにサザンオールスターズや桑田佳祐のアルバム全てがストリーミング配信されるようになった。つまり、今まではダウンロード販売を利用して購入という方法を取らなければ聴けなかったのだが、毎月の定額を払っていれば、すべての作品を自由に聴けるようになったのだ。ああ、時代は動いたのだなという実感。未だにストリーミング配信に対応していない大物歌手って中島みゆきくらいかな。彼女ももうすぐコンサートツアーは終えるというので、そのタイミングあたりでストリーミングを始めるかも知れない。どうやったって時代には逆らえない。今やディスクを売るより、ストリーミングのほうが安定した収入が得られる時代になったという事。

 何も出来なくても危機感の無い大学生と、すべてはストリーミングで音楽が「作品」ではなく金銭価値の感じられない「空気」と化していく。これが21世紀。ようこそ未来へ。

12月25日(水曜日)曇り

 ネットをチェックしていると、「クリスマスソングはなぜ懐メロばかりなのか」という話題が書いてあった。そりゃヒップホップやラップのクリスマスソングを作ったって、子供から老人まで歌うわけないだろうよ、と小一時間。まあ、クリスマスソングだけでなく、お洒落なバラードとかも、もう新しいものは出てこないだろうなあ。
 
 新型MacProの構成を検討中。凄いのが内部に増設できるハードディスクで、8TBを四台でRAIDシステムを組み、24TBの容量を使えるオプションパーツがある(8TBの1台分は保険として動作するから、都合3台分なので24TB)。これを入れれば、もう生涯記憶容量の空きに苦しむことはないかなと思って思案中。しかし、ふと30年前を思い出す。ある知人が、「秋山君、今度ね、ウチも外付けハードディスク買ったんだ。もうね、一生困らないだろうと思って、奮発して100MB!」、そう興奮して話していた。1,000MBで1GB。1,000GBで1TBである。100MBが今やどれくらいちっぽけな容量かが分かるだろう。記憶容量ってそんなもの。あればあるだけ使っちゃうんだろうな。と言いつつ、今現在黒いMacProにつながれた4台の外付けハードディスクのデータを引越整理中。

1月1日(水曜日)晴れ時々曇り

 
 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて、12月31日に録画しておいた紅白歌合戦を元旦に見てみた。これは楽しみで見るのではなく、世の流行を確認するためのお仕事である。一応KISSも出るということだし。
 当然ながらほとんどの歌手(アーティストと呼ぶようだ)は少し見ると、リモコン機能の「15秒ずつ早送り」でポンポンと飛ばされていく。関係無いコントや審査員のコメントなども15秒ずつスキップでポンポンと。その中でいくつかの歌を飛ばさずに見てみたのだが、今年の傾向が見えてきた。それは音楽軽視だ。紅白歌合戦はおそらく2000年を過ぎてから、演歌歌手がその年の持ち歌ではなく、往年のヒット曲を歌うようになった。そしてそれがどんどん演歌からポップ系のほうにも拡がって、松田聖子が独身時代のヒット曲を歌ったり、サザンオールスターズがデビュー曲を歌うようになった。完全に懐メロ大会の様相だ。

 また現代の歌はイントロは無いし、アウトロも無いし、バックの伴奏はカラオケだし、どうにも盛り上がりに欠ける。そしてこのところ多くなったのがメドレーだ。それも巧妙にアレンジして、あっと驚く展開のメドレーというわけではない。単に前の曲をフッと終わらせて次に入るだけ。そして昨年のはっきりとした特徴。歌を集中して聴かせてくれなくなった。とにかく周りが騒がしいし、歌のジャマをする。酷いのは歌のバックで胴体切断か何かのマジックをやっていたこと。もう画面の注目ポイントが歌手ではなくなっている。これは何を意味するのか。歌を1曲歌って視聴者を釘付けにすることはできないから、過去の有名な曲を飽きられないうちに、矢継ぎ早につないでいく。そしてチャンネルを変えられないようにバックで手品やけん玉をする。もはや音楽には何の力も無いということを証明してしまっているのだ。
 
 実は昨年の12月に桑田佳祐の「ひとり紅白歌合戦」というコンサートを収録したBlue rayを購入して楽しんでいる。これは長い紅白歌合戦の歴史の中で、特に有名な曲を女性の歌、男性の歌もすべて桑田佳祐ひとりで歌うという企画のライブだ。これが素晴らしい! 自分が影響を受けた歌謡曲や演歌、フォークソングを歌ってくれるのだが、どれもその歌への深い愛情が感じられる。バックももちろん生のフルバンド! おふざけの遊びもあるが、決して楽曲を破壊してしまうような事はやらない。もう、我が家は年末の紅白はこれでいいなと思う。この企画は5年くらいのスパンで3回行われており、僕が購入したのはそのセット版。だから3年分を楽しめるわけ。

1月6日(月曜日)晴れ時々曇り

 
 「ジャズがなぜ衰退したのか」というキーワードでググっていると、面白そうな電子書籍を見つけた。「ジャズに人が集まらない理由」というタイトルで、クラシックギタリストでも思い当たることがいくつも書いてある。その中で「ライブが流れ作業になっている」というのがあった。これは僕も昔経験したことがある。プロミュージシャンは雇われた仕事をする時に、そつなくこなす。その代わりに全身全霊で演奏する事はあまり無いかも知れないと思った。返ってアマチュアのほうがその曲を熱心に練習し、一生懸命に演奏する。その熱意が聞いている人に届いた時に、人々は感動するとも言える。
 なぜ流れ作業になってしまうのか。それは桁違いに音楽対応能力が高く、楽譜に書いてあるコードネームを見るだけで、どんなアドリブでもできるからだ。だからジャズミュージシャンは簡単な打合せはしても、リハーサルはしない。もしリハーサルを頼むと、自分の能力を疑われていると思って不機嫌になり、どうしてもというのなら、リハの拘束時間分のギャラを要求されるという。分かるな、その流れ。
 クラシックギターの世界で言うと、楽器を器用に弾ける人は楽曲を長時間練習して手の内に収める必要が無い。逆に不器用な人は何度も何度も練習し、楽曲の構成を理解して暗譜し、最上の表現をしようと勤める。どちらが良いとも言えない。難しい問題だ。

1月9日(木曜日)晴れ

 
 正月明けにMacProをポチった。もちろん巷で話題の特盛り600万円コースなわけはない。あれは8K動画を編集する会社が欲しがるものであって、一般的なHD動画とLogicの音楽作りなら小盛りでOK。ただストレージは欲しい。内蔵SSDの他に、4台の8TB HDを内蔵できるモジュールを購入。これはMacProに装着されて送られてくるのではなく、別々に配送され、自分で増設するらしい。まあ、本体はまだあと10日くらい経たないと来ないので、内蔵HDモジュールが先に到着しても、手も足も出ないのである。

1月14日(火曜日)曇り時々晴れ

 
 予定よりも3日早くMacProが到着。ヤマト運輸ではなくDHLだった。もういくつも開封動画をYoutubeで見ていたので、重さや大きさは驚かないものの、やっぱり威圧感が凄い。外側の運送用段ボールを開け、内包されている白い化粧箱を出し、その箱の上部を上下真っ二つに分断するようにパコっと開けて、本体を取り出す。よく考えられて作られている。
 まずは現在使用中のLGのモニタに接続して初期不良ではないかを確かめる。メモリやSSDも問題無いようなので、一度電源を落とし、外側のアルミのカバーを上からスポット外してスケルトンにし、すでに配送されていた32TBのハードディスクシステムをガチャッとはめ込む。このハードディスクは完了した仕事のデータや、動画データなどをガンガン保存する予定。実はこのハードディスクはタイムマシーンとしては使わないほうが良いとのことなので、別に注文した8TBのハードディスクを写真の左上の部分に組み込む予定。
 現在は4TBくらいあるこれまでのデータをどんどんコピー中。

1月19日(日曜日)晴れ

 
 右の写真が何なのか、すぐに分かる人はかなり熱心なMacユーザーであろう。この工業製品は液晶モニタのスタンドだ。昨年の夏に発表されたApple Pro Display XDRというモニタ専用のスタンドなのだ。モニタ自体も高価なのだが、このスタンドも約10万円という値が付いたことで、ネットでは「相変わらず高飛車な商売だ」と散々に揶揄された。しかし、Pro Display XDRを買う以上は、まさか壁に立てかけて使うわけにもいかず、やむを得ず購入するしかない。僕も喜んでとは言えない気分でセット購入してみた。
 すると、モニタは2月にならないと発送されないのに、スタンドだけが先走って出荷。我が家に届いたというわけ。箱から出して触ってみると、10万円という値付けもちょっと納得する所がある。ものすごく重くてしっかりした作りだ。黒丸の所にモニタを取り付けるのだが、接続は磁力のみ。モニタを近づけると磁石の力でガクンと吸い付くらしい。またこのスタンドはモニタを90度回転させられるピボットにも対応している。なるほど、開発費を加えて、プロ御用達価格にするとそうなるのか。
 MacPro本体のほうは現在LGのモニタに接続した状態で好調に動作してくれている。1世代前の黒い骨壺型MacProでは、楽譜ソフトSibeliusにおいて、手のひらツールで画面をグイグイドラッグするときに、どうにも画面表示がひっかかるように重たかったのだが、おかげでスイスイとストレスなく動いてくれる。そうそう、そうじゃなきゃな。